米国の移動搾油サービス 

2016年7月15日号

米国テキサス州ではオリーブ栽培農家の畑に赴きそこで搾油を行う移動式搾油サービス“テキサス・モバイル・ミル”が始っています。高品質のエキストラバージンオリーブオイルを作るには、実の収穫から搾油までの時間が命。大型トレーラーに作った移動式搾油工場で、畑に出向きその場でその日のうちに搾油ができるのが特長。


イタリアから搾油機の部品を輸入し、カリフォルニアで手作りした最新の搾油機で、1時間で2トンの果実を処理できます。1トンあたり450ドルの搾油料金で、更に窒素充填、オイルの検査などきめ細かい有料サービスを提供しています。

オリンピックにオリーブ 

2016年8月15日号

ブラジルで開催中のリオデジャネイロ2016年オリンピックに、ギリシャからオリーブの枝が送られました。ギリシャとブラジルの代表が歴史的価値があるとしてギリシャに保存されているオリーブの古木から枝を切りブラジルまで運び、開会式では先頭に入場する選手団の手で、平和の象徴として持ち込まれました。
古代のオリンピックでは、勝者にオリーブの小枝で作った花冠を授けたことが知られていますが、平和への願いを込めて2004年のアテネオリンピックからこの儀式が始りました。

増産の中国オリーブオイル 

2016年9月15日号

IOCによると中国でのオリーブオイルの生産量は前年比75%の増産で、5千トンに達したと報じられました。2015年の輸入量3万6千トンで、国内生産で需要の12%をまかなえるまで成長しています。
中国はイスラエル政府の支援でオリーブの本格的栽培を進めています。

中国森林局からの依頼をうけ、イスラエルのオリーブ庁が推薦するベテランの専門家が7年前から四川省、雲南省、甘粛省の現地を訪問し、本格的な栽培を指導しています。今年1月には、多数の栽培農家がイスラエルで長期合宿し、栽培・灌水などアジアの気候に合った栽培講習が行なわれました。


世界のテーブルオリーブ 

2016年10月15日号

第4回オリーブを知る講座は“オリーブの実と葉を食べる”をテーマに、フランス・イタリア・トルコ・イスラエル・米国カリフォルニア・日本(静岡県)産のテーブルオリーブ11品目を試食しました。
“テーブルオリーブ”のIOCの定義は、オリーブの果実を(実の糖分を乳酸菌に変えて)発酵させるか、熱処理で保存食にし、防腐のために塩水、水、食用塩、酢、オリーブオイル、砂糖などを加えたものです。


生の果実は“苦く”そのまま食べられないので、水や苛性ソーダ、加熱で処理をします。実の成熟度、その加工処理方法で、シチリーアーノスタイル、ギリシャスタイル、スペインスタイル、カリフォルニアスタイルなどがあります。

オリーブと葡萄栽培のルーツ探求 

2016年12月15日号

紀元前1500-500年代は古代イスラエルの“ワイン黄金期”と言われ、聖書にも述べられ、ワインは日常にありました。7世紀に酒を禁じるイスラム勢力に支配され、ワイン用ブドウは栽培を禁じられました。19世紀にワイン用ブドウで醸造が再開し、今日年間6万トンのワインを生産しています。

この失われた古代の品種を探す研究がイスラエルで行われています。原野で土着品種を探し栽培し
た品種のDNAとイスラエルの多くの遺跡で見つかるブドウの種のDNA分析を照合するなど最新技術を駆使しています。最近やっと白ブドウ2品種を特定、ワインを作り始めました。


オリーブも7千年前の遺跡から栽培の跡が見つかるなど、古代の品種の探求が行われています。オリーブの接木は千年以上前から行われ、ソウリなど27品種が残っていると確認されています。

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